私が仕事を通して得た、感動とやりがい(上司編①後編)
昨日の以下の記事の続編です。
管理職になってから、上司からのダメ出しはほとんど無くなりました。
その頃は、管理職はこの上司(部長)と私の2人でしたので、私が管理職としてやるべきことは沢山あったと思います。しかし、私は徹底して部員の教育の分野を任されました。
私は、管理職になった時には結婚を控えていたので、「そのうち産休を頂くことになると思う」とお伝えしていました。ですので、組織の未来を考え「私と同じように、みんなにも人材育成ができるようになってほしい」という、上司の思いがあったのだと思います。
それから、2度目の育休を終えるまでは、Projectのマネジメントを行いながら、「ヒト」を育成できる「ヒト」を育成することが、私の最大のミッションでした。
1度目の育休明けは、私の後継でProjectの統括を引き継いだメンバーが退職してしまっていました。突然、退職したらしく、それを引き継がなければならなかったメンバーたちは、大変苦労しながら、その後の業務を完遂したそうです。このとき退職したメンバーに、それから7年後に再会したのですが、その時のことを「自分が弱かったのです」と語ってくれました。彼女にとっては、色々なことがプレッシャーとなり、耐えられなくなったようでした。
2度目の育休明けは、急激な受託増に合わせて人を採用し、1人1人が精一杯働いていました。業務の「最低知識」のみ教育を受けた後、先輩と新入社員(中途)のペアで業務を遂行していました。なんとか仕事はこのせるものの、リーダーが不足しており、噛み合わない雰囲気が蔓延していて、みんなギクシャクしていました。休職を頂いていたのは10ヶ月間でしたが、1年も経っていないのに、すごい変わりようでした。その年には、上司は事業部の一部を統括する立場となっていたため、あまり部内の統率が取れていなかったことも、大きな要因であったと思います。
私は、「業務を実施するヒト」を育成できる「ヒト」についての仕組みは残せていたのかもしれませんが、「"業務を実施するヒト"を統括できるヒト」を育成できる「ヒト」の仕組は、残せていませんでした。
結局、これって最近よくある「階層別研修」に相当する考えと同じものだと思いますが、当時は7~800人規模の会社に成長していたものの、会社全体も急激な成長で、そういった周辺の仕組みは整っていませんでした。
従いまして、本格復帰した際には、「"業務を実施するヒト"を統括できるヒト」を育成できる「ヒト」を育成していくことが、私の最大のミッションになりました。
かつ、上司は東京出張の機会が増え、部内の細かいことは私に任されるようになりました。「ヒト・モノ・カネ」の全てを、です。
1度目の育休明けから時短勤務をさせていただいたのですが、私も腹をくくり、会社を不在にしていても、どこでも仕事ができるよう、環境だけは整えていただきました。
そして、3歳と0歳の子育てをしながら、部長として組織を統括していくことになりました。
部長1年目は業界全体の低迷もあって予算未達で終えてしまいましたが、部長2年目は右肩上がりのV字回復で予算を達成しました。
しかし、私の上司は、私が部長1年目の時の、事業部の結果の責任を取る形で、大きく違う環境へ異動されてしまいました。ここで、上司と私の直属の関係はピリオドを打ちました。
この上司との10年は、私にとって本当に貴重で重要な10年でした。こんなに充実した10年がなければ、今の私はありません。
そして、事業・組織を拡大していく中での、「ヒト」を育てていくことの重要性を、常々実感してきた10年でした。
大企業には「階層別研修」を含む、様々な「ヒト」を育成する研修があります。しかし、研修は実践して初めて身につくものです。実は、それを頭ではわかっていても、見て見えていないふりをして放置する管理職は、非常に多いです。
この事は、以前書いた以下の記事に通じます。
しかし、大層な研修がなくとも、私は実践中にそのイロハを指摘されたり、アドバイスを受けることで、着実に身につけてきました。それは、右と左がわかるようになった若手の頃から部長という職位につくまで、素晴らしい上司の下で一貫して指導を受けてくることができたからこそのものです。
私は、私の強みを見抜いて、ここまで鍛え、育ててくださった上司に大変感謝しています。加えて、10年も一緒に仕事をすることができた、という運もありますが、この上司に巡りあえて、本当に良かったです。
そして、この上司と同じように一歩一歩着実に、「ヒト」を育て、育った人がまた「ヒト」を育て、、、という永遠の仕組みを作っていくことに、私は価値を感じています。
ただ、人材育成は短期でできるものではなく、「個性を見極めたうえで、長期的に実践していく必要がある」というのが、私の考えです。
しかし、これが大企業ではなかなか貫けないことが、私の次の悩みと課題につながっていきます。