番外編:私が「仕事以外」で得た、感動とやりがい(PTA編)
私は、二度目の退職を決意し「まもなく引き継ぎが完了し、退職予定」というタイミングで、やりたいと思っていた別の取り組みを開始しました。
息子が通う小学校の、低学年への絵本の読み聞かせです。
開始した理由は3つあります。
- 息子が通う小学校のことを、もっと知りたい。
- 職場以外でのコミュニケーションを増やしたい。
- 読書の素晴らしさを、子どもたちに伝えたい。
現在の居住区には、古くからの知り合いなどは全くおらず、私にとっては結婚してから住み始めた地域だったので、知らないことが多かったのです。
保育園で仲良くなったママ友とも別の学区だったので、子ども達の環境を知る機会が少なすぎました。
PTA主催の会などには積極的に参加していたのですが、「その場限りのコミュニケーション」以上に発展させることも難しく、自分が前向きに取り組めそうなPTAの「絵本の読み聞かせの会」のメンバーに登録することにしました。
毎週金曜日、朝8:35からの10分枠で1・2年生に読み聞かせをしており、私はメンバー登録後は、毎週金曜は小学校で読み聞かせをしてから出社するようになりました。
自ら志願してメンバー登録するわけですが、現在のメンバー数は10人です。1学年120~130人前後の小学校なので、全校生徒は700~800人ですが、それに対して親の数が10人なので、志願する親は限りなく少数派です。
少数すぎるので「意外と大変なことになるかも・・・」と、初めは少し不安になりました。
しかし、この少数派のママたちが、ボランティアであるにも関わらず、すごい行動力をお持ちの方ばかりで、ここから、職場以外で貴重な経験をさせていただく機会を得ることになっていきました。
メンバー初年度は、本会初の試みで「絵本のひろば」を開催しました。メンバーからの発案で、行政の制度を利用し、学校のサポートも頂き、途中でたくさんの壁にぶつかりましたが、無事に終了しました。
メンバー2年目の今年は、2回目の「絵本のひろば」の開催と、「絵本作家を招いた子どもたちのための授業」を開催しました。2回目の「絵本のひろば」は、1回目の経験に加えて新たな取り組みを実施しました。「絵本作家を招いた子どもたちのための授業」は、本会代表の長年の想いが詰まった企画だったのですが、「絵本のひろば」以上の事前準備を経て、先日、無事に終了しました。
大半のメンバーは専業主婦か不定期に短時間の仕事をなさっており、平日ほぼ毎日仕事をしているのは私を含めて3人です。3人は平日に殆ど時間が取れないので、細かい打ち合わせや準備は、他のメンバーが中心になって実施してくれています。
メンバーの得意・不得意も様々なのですが、代表を中心に、1人1人が「自分ができること」を実施し、物事が完成していきます。(私は、月1回のお便りの作成を担当しています。)
年齢もキャリアもスキルも関係なく、代表以外の役職はないフラットな関係で、1つの目標に向かって活動をしていきました。
一見、「組織的に大丈夫?」と心配になるのですが、これがまた、結果的に自然に皆さんが自分の強みを発揮されていくのです。
- 目的は違えど、志願したメンバーが集まった。
- メンバー間で共有した目標に向かって進んでいく。
- できることは、自ら手を挙げて進んで実施する。
- できないことは、どうしたらできるかをみんなで考える。
非常に自然な流れなのですが、これは会社では自然には発生しない奇跡だと感じました。少なくとも、私は社会人になってから会社組織の中で、こういった経験をしたことは殆どありませんでした。
仕事ばかりをしていて、私自身の感性も思わぬ方向に偏っていたのかもしれません。
とにかく、「読み聞かせの会」への参加で、得られるものが予想以上にありました。複数のコミュニティに参加し、自分の職場以外の環境で得意不得意を再認識できるのも良いことだと思いました。
この会で発生した「奇跡」が、職場ではどうやったら発揮できるのだろうと考えると、やはり自分が「やりたいことを、やっている」という点が一番だと思いました。「ヒト」は、「やりたくないことは、やりたくない」ですもんね。
ただ、ここに「評価」が加わり、「報酬」が得られるようになると、会社組織になってしまうのですね。そして、「やりたいことが、やれない」「やりたくないことでも、やらなくてはならない」のが、仕事なのですね。
この会はプロではないので、色んな面で甘さはあります。しかし、同じことをやりたいメンバーが集まると、とてつもないパワーが生まれます。
こういった「ヒト」の本能から生じるパワーを、会社組織でも生かせる組織作りができたら素晴らしいと考えます。