「ヒト」が生き生きと働ける環境を考えるブログ

私が約17年間勤めた会社を辞めようとしている理由と、まつわる原因を分解していきます。経営者や管理職の皆さんに、ふと考えて頂きたいことを記事にしています。

がっかりした、会社からの通知①(女性活躍推進法に基づく企業の行動計画)

一億総活躍社会・働き方改革と、国が先陣を切って対策を打ち出してくれていましたが、今後はまた、衆議院解散総選挙の結果次第で方針が変わるかもしれないですね。

気になるところではありますが、政治の「どちらがどうだ」とかいう話は公にはしたくないので、ここでの私の意見は控えます。

 

ただ、既に成立している法律は、大なり小なり、自身にも影響がありますので、しかるべき方々が成立させた法律について、その後、国民の1人である私が、どう受け止めて対処しているかを記載してみたいと思います。

 

タイトルの通り、「女性活躍推進法」に則り、私が所属する会社も行動計画を策定し、周知・公表しています。

確かに、「策定し、周知し、公表して」います。

 

以上です。

301人以上の大企業に課せられている義務ですから、実施しなくてはならないので、当たり前すぎますが。。。

 

しかし、私は、会社が周知したこの行動計画の内容を見て、その数値目標が達成された年に、どのような組織が出来上がっているかを想像して、ゾッとしました。

私の全身の細胞が、脳に警鐘を鳴らしました。「早く、この環境から脱出しろ!」と。

 

私は、女性が活躍することは否定しません(私自身、女性ですし、活躍したいですし)。

でも、こういった、従業員にあらゆる影響を与えかねない行動計画は、己の会社の人材のパフォーマンスを熟慮して「策定し、周知し、公表して」ほしかったです。

この計画を理解していない管理職もいますし、周知されただけでは意図を勘違いをしてしまう従業員も、沢山いるからです。

 

ちなみに、私が現在所属している会社は、女性の従業員比率が高いです。

そして、私が部長をしていたのはこの法律が制定される前ですし、実力次第では女性が要職で活躍する環境は、十分にありました。

しかし、この行動計画と並行して計画されていたのが、人事制度と給与報酬体系の見直し、そして、グループ会社を含む事業体制の見直しです。

 

私が部長職を離れてからの組織図を見比べると、徐々に女性管理職は増えてきています。

しかし、水面下では、これまでにたくさんの経験と実績を積んだ、優秀な

・あと数年で管理職としての活躍が期待された男性

・管理職を目指したいとは考えていない女性

の離職が続いています。

明確な人事制度と給与報酬体系が提示されたことが主たる原因にあるようですが、あわせて、この行動計画の数値目標の達成を意識した組織作りが行われた結果であると、私は考えています。

 

他人が、どのようなキャリアを積んでいきたいのか、日ごろからの十分なコミュニケーションがなくては、変化をキャッチすることもできません。

しかし、私が所属する会社では、目標の設定と共に複数回の面談も義務付けられてはいますが、面談時の管理職のヒアリング能力の乏しさに、怒りを通り越して悲しくなることすらあります。

 

私は、これまで通りに男性も活躍し、そして女性も活躍できる社会を作るために、今回のこの行動計画云々は問わず、まずは「経営者間のベクトルを合わせ、管理職を持続的に育成・成長させ、自分らしく活躍している従業員を増やす」という、人材を育てるサイクルを、企業の根幹に据えなくてはならないと感じています。

そして私は、そういった考えを持って行動し続ける企業に、貢献していきたいと考えています。 

 

ちなみに、この「女性活躍推進法」は、ご承知のとおり『10年間の時限立法』です。

10年後、老若男女問わず、人生100年時代に、生き生きと活躍される人々が溢れていることを、切に願います。