「ヒト」が生き生きと働ける環境を考えるブログ

私が約17年間勤めた会社を辞めようとしている理由と、まつわる原因を分解していきます。経営者や管理職の皆さんに、ふと考えて頂きたいことを記事にしています。

管理職の「ヒト」への感心度合いが職場環境を左右する

今日は、元部下と1年半ぶりにランチをして語りました。この部下は、私が部長職の間、右腕左腕となって活躍してくれた方です。

 

組織全体の状況を鑑みて物事を提案してくれる貴重な部下であったし、顧客の意向を的確にキャッチできる人材だったので、私は組織の後継者として育成していました。

しかし、業務上では似たようなケアレスミスがなおらず、成果物の質が悪いという印象の方が、他の上位管理職間では噂になり、何度昇格候補に挙げても次点止まりで、管理職に上げられずにいました。

ケアレスミス自体は、大きな影響はないものであったので、私は、彼の弱みは他のメンバーでカバーするチーム作りをしていましたが、他部署で業務のサポートをしたときに、そういった評価が定着してしまいました。

 

そうこうするうちに、私は昨日の以下の記事に記載の流れで、異動することになりました。 

bluemiyumiyu.hatenablog.com

この部下は、リーダーシップも発揮できるタイプだったので、あとは「ヒト」のマネジメントの経験さえ積めば、よい組織を牽引できる人材になると考えていました。

それを、本人も望んで頑張っていましたが、私以外の管理職は、彼の成果を認めることはなく、私の干渉がなくなれば、管理職への昇格はほぼ見込めませんでした。

 

結果、私は彼に、私の異動と同時に、顧客側で直接業務を実施する立場(出向)で仕事をしてみることを提案しました。このままでは、彼の成長する機会が失われ、貴重な30代の時間が無駄になってしまうと思ったからです。

顧客からのニーズもありましたし、自社においても目標達成のために必要な判断であったので、誰からの反対もありませんでした。

彼は、社内からしばらく離れることに不安を覚えたようですが、社内の今後の状況を想像したときに、今より自分の状況が良くなることはないことも、予見できたようです。

結果、私の提案を受け入れ、彼もこれまでとは違う道を歩んでいきました。

 

1年半後の今日、久しぶりに対面した彼は、一層たくましく、立派な見識を得ていました。更に鍛えられる環境で、「ヒト」を見る目も、Projectをマネジメントする力もパワーアップし、顧客にとっては無くてはならない存在となり、顧客側への転職を打診されているようです。

転職の打診があることも、当時の状況から予想してはいましたが、実際にそういった声があったことを聞き、私の見る目が間違っていなかったことを確信しました。

 

転職するかどうかは彼次第ですが、彼がいる組織は、間違いなく「ヒト」が働き甲斐をもって、仕事に取り組める環境に変えていけると感じています。

こういう「ヒト」が、さらに次の「ヒト」を育て、よい組織を作って成功していってほしいものです。

 

こういった考えを後押ししてくれるかのように、下記のとても共感する記事に出会いました。

blog.tinect.jp

管理職の能力の中核は「人への関心」だ。
人好きでなくてもよい。
人への信頼がなくてもよい。
ただ、「人への関心」は絶対に必要な事項である。

私を育ててくれた上司も、この観点を常に持って指導してくださいました。

そして、私も同じように、常に「ヒト」ありきでマネジメントを実施してきました。

「ヒト」がなくては、何も成り立ちません。

管理職は「ヒト」に関心をもって、職務を全うしてください。