「ヒト」が生き生きと働ける環境を考えるブログ

私が約17年間勤めた会社を辞めようとしている理由と、まつわる原因を分解していきます。経営者や管理職の皆さんに、ふと考えて頂きたいことを記事にしています。

私が仕事を通して得た、感動とやりがい(部下編①)

以下のようなキャリアを持つ方がいました。

皆さんの組織では、活躍できそうでしょうか?

 

・専門分野の業務経験:約10年

・英語の読解・会話力:留学経験があり、ビジネス会話が可能

・顧客対応力あり

・チームリーダー経験あり

 

これだけ見れば、まずは面接にコマを進め、人間性に問題なければ採用になるのではないでしょうか。

 

実際に、私が所属する会社にいた方なのですが、ある部内で、ずっと煙たがられていました。どうも、色んな課長の下で仕事をしてもらうものの、どの課長ともソリが合わないようなのです。

 

ちょうど、私の管轄下ではグローバルなProjectが増えていたこともあり、こんな人材を採用しようとしても、簡単には見つからないところでしたので、手をあげて、私の管轄下に異動して頂きました。

その方には、追加で必要な研修を受けてもらったあと、すぐに該当チームのリーダーを担当していただきました。他にはあまり例のないProjectだったので、不慣れな点については、随時相談と報告があり、安心してチームを任すことができました。

 

その後、その方と上司・部下の関係で仕事をしたのは1年位の期間でしたが、大小の様々な波を共に乗り越え、充実した期間を過ごしました。

ところが、その後、私は異動となったのですが、私が異動した後の組織において、その方にとっては、また元の環境に戻ってしまった形となり、結局1年後に転職してしまいました。

 

その方は、最終出社日に私のところにまで、わざわざ挨拶に来てくれました。そして、こう言いました。

「この会社で、●●さん(私のこと)の管轄下で仕事をしたのは僅かな期間でしたが、一緒に仕事ができて本当に良かったです。ありがとうございました。」

 

一般的な社交辞令かもしれません。

でも、誰にでもこのようなセリフを言って去り際に挨拶をする人は、あまりいないのではないでしょうか。

 

では、他の組織にいたときと、この方にとっては何が違ったのでしょう。

 

私は、この方が、私の管轄下に異動になるまで苦労してきたのを知っていましたが、だからと言って、ひいきをするわけではなく公平に接しました。

他の部下と同じように、この方の強みと考えを理解し、私から強みを活かしたキャリアを提案し、そのキャリアに本人も同意し、互いの目標とし、目指す地点に到達するためのコミュニケーションとアドバイスを繰り返したのみです。

結果、メキメキと頭角を現し、成長されました。

 

この方は、たまにこう言いました。

「仕事は山ほどあって忙しいはずなのに、よく、部下の細かなところまで見てらっしゃいますね」と。

 

私は「みんなが最高のパフォーマンスを発揮できなければ、ベストな結果は出ない」と考えているので、そういう環境を創ることに最善を尽くします。

違いは、こういう点だったのだろうと思います。

 

この方は、私と同じ年齢の女性ですが、より力を発揮できそうな競合他社に転職され、現在も活躍なさっています。私が所属する会社は、また貴重な人材を流出してしまいました。

管理職のパフォーマンス如何で、従業員のパフォーマンスも変わることを、再認識した経験です。